社員のウェルビーイングが高い組織では、生産性とパフォーマンスが向上します。幸福度の高い社員の創造性はそうでない社員の3倍高く、生産性は31%高くなることが研究結果として明らかとなっています。ウェルビーイングを促進することにより、社員の能力と生産性が最大限に発揮されるのです。
ウェルビーイングは社員のエンゲージメントと密接に関連しています。エンゲージメントとは、社員が組織に対して強い関与や情熱を持ち、自発的に最善を尽くす状態を指します。これは社員が単なる仕事の遂行者ではなく、組織の目標や価値観に共感し、自身の役割に情熱を注ぐ状態を表しています。
心身の健康や幸福感が向上することで、社員の仕事に対するモチベーションや意欲が高まり、自発的に組織の目標に貢献する姿勢が生まれ、社員が自身のウェルビーイングに関心を持ち、自己成長やバランスの取れた働き方を組織から得ることによって、組織への忠誠心も高まり、全体として社員エンゲージメントが高まります。
昨今、ウェルビーイングが注目を集めており、ウェルビーイングを重視する組織で働きたいと考える人が増えています。そのため、ウェルビーイングを重視する組織であることは、魅力的な就業場所として組織をアピールすることができ、優秀な人材を惹きつける重要な要素になります。また、幸福度の高い社員はそうでない社員よりも離職率が59%低いことも研究結果として明らかとなっており、社員の定着率も高まります。
このように、ウェルビーイングは単なるトレンドではありません。社員のウェルビーイング向上によって、生産性やエンゲージメント向上が促進され、組織の人材獲得・定着に大きく資することから、ウェルビーイングは組織と社員の双方にとって持続可能な成果をもたらす重要な要素となっています。ウェルビーイングを組織の中で促進するためには、健康プログラムやストレス管理のサポート、ワークライフバランスの取組み、職場環境の改善、公平な人事評価制度など、様々なアプローチがありますが、何より組織のリーダーがウェルビーイングの重要性を理解し、組織内に浸透させる取組みを実行することが大切です。